不動産を相続するとき知っておくべきキーワード②

2023.11.13

財産目録

財産目録とは、被相続人が亡くなった時点で所有していたすべての財産を一覧にしたものです。被相続人個人が所有する、預貯金や不動産、株式といったプラスの財産はもちろん、借金などのマイナスの財産も記載することが求められます。 また被相続人が会社を経営している場合のように、法人の経営権が問題になる場合には、法人税の申告書を用意しておくと良いでしょう。
財産目録は、被相続人が生前に作成して遺言書と一緒に残してくれていれば、そちらを参照して相続手続きを進めることができます。一方、残されていなかった場合は、相続人が相続財産を調査し、どのような財産がどれだけあるかを把握して作成することになります。被相続人は遺産のすべてを把握しているため、遺言書と同時に財産目録を作成するのが最も良いタイミングと言えるでしょう。遺言書には「誰に何を相続させるか」といった内容を記載しますが、財産目録と照らし合わせながら記載することで、記載漏れや特定の相続人に財産が偏ることを防ぐことができます。そのため、将来、相続人間で発生するであろうトラブルを回避しやすくなります。

【覚えておこう!】
被相続人が財産目録を作成せずに亡くなった場合は、なるべく早いうちに財産目録を作成しましょう。どのような相続財産が残されたのかを正確に把握できなければ、相続するかどうか、誰が何をどれだけ相続することにするかを決めることが困難だからです。

【重要】相続登記《202441日から相続登記が義務化》

相続登記とは、不動産の所有者が亡くなった場合、その不動産の登記名義を被相続人(亡くなった方)から相続人へ名義の変更を行うことです。被相続人名義から相続人名義へ登記申請することによって、所有者が変わります。不動産を取得した相続人が登記申請を行いますが、現在(20231月時点)は登記申請をすることは義務ではありません。しかし民法と不動産登記法などの法改正により、202441日から相続登記が義務化され、登記を怠れば10万円以下の過料に課せられます。相続により不動産を取得した相続人は、所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければならない、とされています。

相続登記には、大きく分けて、次の3つのパターンがあります。

【遺産分割による相続登記】
相続人が複数いるときに、どの財産を誰がどれくらい相続するかを、相続人自身が話し合いによって決めるのが遺産分割協議です。その話し合いの末に遺産分割をし、相続登記するケースです。

【遺言による相続登記】
被相続人の遺言が遺されており、これに基づき相続登記を行う場合です。日本では遺言書を遺す方の割合はまだ少ないため、遺言による相続登記もあまりありません。

【法定相続分による相続登記】
法定相続分は、民法で定められた相続分どおりに相続する手続きです。そのため遺産分割協議書や遺言など、特別な書類は必要ありません。相続する割合については、相続人の順位や人数によって決定されます。一度法定相続分どおりに相続登記をしてしまうと、あとから遺産分割協議をやり直すということが、原則として認められません。「とりあえず、法定相続分で登記しよう」といったことは控えた方がよいでしょう。相続登記は必要な書類も多く、手続きが複雑なことから、登記申請の代理を依頼する方もたくさんいらっしゃいます。申請の代理をできるのは司法書士と弁護士のみで、相続登記も司法書士と弁護士だけです。弁護士が日常業務として登記を行っているケースはあまりないので、司法書士に依頼することが一般的といえます。

お問い合わせはこちら

PAGE-TOP
PAGE TOP